モンテッソーリ教育は、イタリアの医師であるマリア・モンテッソーリによって創始された教育理論です。
彼女は、子どもたちは自らの力で学ぶことができるという考えを持ち、教育現場での実践に取り入れました。
その結果、多くの子どもたちが自らの能力を発揮し、学習意欲が高まったと言われています。
また、モンテッソーリ教育は、自己肯定感を育てるための教育手法として、世界的に広がっています。
この教育方法は、子どもたちが自分自身で自分の能力を発見し、自分で問題を解決する力を身につけることを目的としています。
この記事では、そんなモンテッソーリ教育の考え方を家庭でも取り入れる方法を考えてみました。
パートナーと協力して、子どもたちが自己肯定感を育てるためのヒントを見つけていきましょう。
モンテッソーリ教育とは？その特徴とメリットデメリットは？
モンテッソーリ教育とは、イタリア出身の教育者マリア・モンテッソーリが提唱した教育法であり、子どもたちが自ら学び、自己肯定感を高めることを目的としています。
ここではその特徴と、子育てに取り入れるメリット、また、デメリットはあるのかを見ていきましょう。
モンテッソーリ教育の特徴
まずは教育機関で行われるモンテッソーリ教育の特徴を知りましょう。
1. 個別指導
モンテッソーリ教育では、子どもたち1人1人に合わせた個別指導が行われます。
子どもたちは自分の興味や関心に合わせた学びを進めることができ、自己肯定感を高めることができます。
2. 自由な選択
モンテッソーリ教育では、子どもたちは自分自身で学ぶことを選ぶことができます。
自分で選んだことを学ぶことで、自発性や責任感を育てることができます。
3. 自己調整能力の育成
モンテッソーリ教育では、子どもたちが自分自身で学び、自分で自己評価をすることができます。
そのため、自己調整能力が高まり、将来的には自己管理能力が必要な社会においても適応しやすくなるとされています。
モンテッソーリ教育のメリット
では、モンテッソーリ教育を家庭での子育てに取り入れると、どんな良いことがあるのでしょうか。
考えられるメリットを具体的に見てみましょう。
1．自己学習能力の向上
モンテッソーリ教育は子供たちの自己教育の能力を育てます。
子供たちは自分の興味のあることを追求する自由が与えられることで、自分自身で学習を進めることができるようになります。
これは自主性、自己効力感を養うと同時に、一生涯学び続ける能力を育てます。
2．自尊心と自立心の育成
自分で学び、自分で考え、自分で行動することを通じて、子供たちは自信と自尊心を育てます。
それにより自分自身の能力と達成感を認識し、自立した心を持てるようになります。
これらは、将来的に彼らが自分の能力を信じ、自ら挑戦する勇気を持つために重要です。
3．自己規律の発達
モンテッソーリ教育は、子供たちの自分自身の行動と学習を管理する能力を伸ばすことができます。
これは自己規律の発達に役立ち、自分の時間を管理し、課題を完成させる能力を強化します。
4．創造性と独自性の育成
子供が自分のアイデアと創造性を表現するための空間を持つことによって、独自性と独創性を育てることができます。
ただし、これらすべてが自動的に達成されるわけではありません。
モンテッソーリ教育を効果的に取り入れるためには、親自身がこの教育方法を理解し、子供たちの自己教育を尊重し、適切な環境を提供することが必要です。
モンテッソーリ教育のデメリット
一方、モンテッソーリ教育のデメリットを挙げるとすれば、教育機関で実践する場合は個別指導のために費用がかかることや、子どもたちが自由に選ぶことができるために、勉強しない子どもがいる場合があることでしょう。
ただ、これらのデメリットはモンテッソーリ教育を実施している教育機関に入る場合の懸念ですから、家庭で取り入れる際には特に心配なことはないと言えるでしょう。
自立心を育てるために モンテッソーリ教育で大切な5つの要素
モンテッソーリ教育では、自己肯定感、自己決定権、自己表現力、自己主張力、自分で考える力など、自己を育むことが大切な要素とされています。
自己肯定感
まず、自己肯定感を育てるためには、子ども自身が自分を認め、受け入れることが必要です。
モンテッソーリ教育では、子どもが自分で選んだ活動に取り組んだり、自分でやり遂げたことを褒め合ったりするなど、自己肯定感を高める環境づくりが行われます。
自己決定権
また、自己決定権を育てるためには、子ども自身が自分で決めることができる環境を作ることが大切です。
モンテッソーリ教育では、自分で使いたい教具を選ぶ、自分でやりたい作業を選ぶなど、自己決定権を尊重する環境が整備されています。
自己表現力・自己主張力
さらに、自己表現力や自己主張力を育てるためには、子どもが自分の意見や気持ちを表現する機会を与えることが必要です。
モンテッソーリ教育では、話し合いやディスカッションを通して、子どもたちが自分の意見を述べ、他者と意見を交換することができる環境があります。
自分で考える力
そして、自分で考える力を育てるためには、子どもたちが自分自身で問題を解決する力を身につけることが必要です。
モンテッソーリ教育では、自己学習のプログラムを取り入れるなど、子どもたちが自ら学びを深めていくことができる環境を整えています。
以上のように、モンテッソーリ教育では、自己を育む要素を大切にし、子どもたちが自分自身で自立心を育んでいくことを目指しています。
家庭での子育てにモンテッソーリ教育を取り入れる方法
モンテッソーリ教育は、子どもの自立や意欲、自己肯定感、そして創造力を育む教育方法として知られており、家庭での子育てにも取り入れることができます。
以下、モンテッソーリ教育を過程で取り入れる際のポイントごとに解説していきます。
自立を促す
まず、子どもの自立を促すためには、家事や日常生活の中で子どもにできることを任せることが大切です。
例えば、食事の準備や片づけ、洗濯物のたたみ方など、年齢に応じたタスクを与えてあげましょう。
子どもたちは自分でできることが増えると、自信を持ちます。
また、選択肢を与えるのも大事なことです。
明日着る服を自分で選ぶ、もしくは何かを今やるか、後でやるか、後でやるならいつやるのか等、子供が自分で決められるよう、「どうする？」と訊くようにしましょう。
親がやらせたいことがある場合でも、子どもに選択肢を与え、自分で決めることができるようにすることが必要です。
意欲を引き出す
子どもの意欲を引き出すためには、好奇心を刺激することが大切です。
モンテッソーリ教育では、子どもたちが自分で学ぶことを重視しています。
そのためには、子ども自身が興味を持ち、自分で取り組める環境を整える必要があります。
家庭でできることとしては、子どもが興味を持ったテーマについて本や資料を用意してあげたり、外に出かけて探究することを提案してあげたりすることが挙げられます。
どんなに小さなことでも、子供が興味を持ったらそれを探求できるというのが大事なことです。
自己肯定感を高める
自己肯定感を高めるためには、子どもたちが自分で考え、自分で決断することを促すことが大切です。
子どもの意見を尊重し、自分で考え、行動できる環境を提供するよう心がけましょう。
例えば、何か行動する前に子どもに「どうする？」と問いかけて、自分で考えて答えを出すようにしてみましょう。
また、失敗しても「次はきっと大丈夫、どうしたらいいか考えてみよう」と励まし、未来に目を向けさせることも大切です。
子どもが自分で決めたことに対して、肯定的なフィードバックを与え、自信を持って行動することができるように支援することが重要なのです。
創造力を育む
創造力を育むためには、子どもたちが自由に遊ぶ時間を作ってあげることが大切です。
モンテッソーリ教育では、子どもたちが自分で選んだ道具で自由に遊ぶことを重視しています。
家庭でできることとしては、子どもたちが好きな遊び道具を用意してあげたり、自分でアイデアを出して作ることを提案してあげたりすることが挙げられます。
子供がどんな遊びやおもちゃに興味があるのか、日頃からよく観察しておきましょう。
モンテッソーリ教育は、子どもたちが自分で学び、自分で考え、自分で行動することを重視しています。
家庭での子育てに取り入れることで、子どもたちがより自立し、意欲的に学び、自己肯定感を高め、創造的な思考力を育むことができます。
以上、モンテッソーリ教育を活用した子育てで大切なポイントについて紹介しました。
各家庭での適用方法を考え、子どもの自己肯定感や自立心を育てるために、子どもが自由に学び、自主性を発揮できる環境を整えていきたいですね。
