夫婦関係修復のための一手!「夫婦カウンセリング」ってどんなもの?

夫婦仲

夫婦関係が悪化してしまい、自分たちでは解決できないと思った場合は、夫婦カウンセリングに頼るのも一つの手です。

夫婦カウンセリングとは、結婚生活における問題や困難、コミュニケーションの障害、愛情や理解の欠如など、夫婦間の問題を解決するためのプロセスです。

夫婦間の問題の調整、解決、そして関係の改善を目指すもので、夫婦が自分たちの問題の原因を理解し、それに対処するための方法を身につけるのに役立ちます。

今回はそんな夫婦カウンセリングの中身を見ていきましょう。

カウンセリングに行っても解決できない状況、どんな夫婦はカウンセリングに行くべきでないか、という点も確認します。

夫婦カウンセリングってどんなもの?

夫婦カウンセリングは、結婚生活に関連した問題や困難を解決するために専門家(カウンセラー)の助けを求めるプロセスです。

コミュニケーションの問題、信頼の欠如、性的な問題、金銭問題、子育ての問題、または他の家族関連の問題など、さまざまな問題をカバーします。

夫婦カウンセリングのセッションでは、カウンセラーが中立的な立場から夫婦両方の視点を理解し、両方の意見を尊重するよう助けます。

夫婦カウンセリングで得られる効果

以下に、夫婦カウンセリングでもたらされる主な効果を紹介します。

  1. コミュニケーションの改善:カウンセラーは、夫婦間のコミュニケーションを改善する手段を提供します。これには、効果的な聴き方、言葉の選び方、非言語的コミュニケーション(ボディランゲージなど)の理解などが含まれます。
  2. 問題解決のスキル:カウンセラーは、夫婦が問題を解決するためのスキルを教えます。これには、問題を特定し、可能な解決策を探し、それらの解決策を評価し、効果的な解決策を選択し、実行する能力が含まれます。
  3. 感情の理解と共有:カウンセラーは、夫婦が自分たちの感情を理解し、それを適切に表現する方法を教えます。これは、感情の認識、自分の感情の理解、感情の適切な表現、他人の感情の理解と共感に役立ちます。
  4. 妥協と調和:カウンセラーは、夫婦が互いの違いを尊重し、妥協する方法を教えます。これは、意見の相違、価値観の相違、期待の相違など、さまざまな違いを扱います。
  5. 信頼と親密さの再建:不信、裏切り、または愛情の欠如が関係に影響を及ぼしている場合、カウンセラーはこれらの問題を解決し、夫婦が信頼と親密さを再建するのを助けることができます。

カウンセリングは、上記のようなポイントを通して夫婦が自己理解を深め、互いの視点を理解し、関係を改善するための手段を提供します。

カウンセラーはどんな人?資格はあるの?

日本では、夫婦カウンセリングは主に以下のような専門家によって提供されています。

  1. 精神保健福祉士: 精神保健及び福祉に関する専門的知識と技術を持ち、精神障害者やその家族の社会的復帰を援助する資格を持つ専門家です。カウンセリングを含む様々な援助活動を行います。
  2. 臨床心理士: 心理学の専門的知識を用いて心理的問題を持つ人々の診断や治療を行う資格を持つ専門家です。精神の問題、生活の問題、人間関係の問題などを扱い、カウンセリングや心理療法を行います。
  3. 心理カウンセラー: 心理カウンセラーは、人々が抱える心理的問題を解決するためのカウンセリングを提供します。ただし、「心理カウンセラー」は資格名称ではなく、多くの場合、心理学を学んだ専門家や経験豊富な実務家がこの役割を果たします。
  4. カウンセラー: 「カウンセラー」という肩書きは、法律で保護されていないため、資格や経験の範囲が広範にわたります。そのため、何の資格もなくカウンセラーを名乗っている人も居ます。そういう人は多くの場合、自分の経験を元にアドバイスをしているので、対応できる相談内容とそうでない内容があるでしょう。カウンセリングの技術についても、人によってまちまちです。カウンセラーを探す際には、その人の訓練、専門知識、経験をしっかりと確認することが重要です。

以上の人々のほかにも、医師(特に精神科医)や看護師、弁護士等が夫婦の問題に対する支援やカウンセリングを行う場合もあります。

それぞれ民間のカウンセリングセンターやメンタルクリニック、病院、弁護士事務所等でサービスを提供していますが、カウンセリングの主旨は異なってきます。

例えば医師や看護師ならあくまでも治療の一環としての対処になりますし、弁護士なら関係の改善というよりは離婚等に絡む法的なアドバイスをすることが焦点になります。

また、最近ではオンラインカウンセリングも増えてきており、遠隔地からでもカウンセリングを受けられるようになっています。

夫婦カウンセリングの中身

実際の夫婦カウンセリングではどんなことを訊かれるのでしょうか。

夫婦の問題や関係性はもちろん当事者によって様々ですが、ここでは一般的にカウンセリングでよく話される内容と、カウンセリングを受ける際の注意点を見てみましょう。

カウンセリングで訊かれる質問

夫婦カウンセリングでは、カウンセラーは夫婦間の関係性やコミュニケーションのパターンを理解し、問題点を把握するために様々な質問をします。

その際、夫婦は自分たちの感情や想い、期待、懸念事項などを率直に共有することが大切です。

また、カウンセラーからのフィードバックや提案に対してもオープンであることが重要です。

以下に、一般的に訊かれる可能性のある質問や話すテーマを挙げていきます。

  1. 夫婦の歴史: 夫婦が出会った経緯、デート期間、結婚生活の始まりなど、夫婦の歴史について詳しく訊かれる場合があります。これは、関係性の全体像を把握し、現在の問題がどのように進展してきたのかをカウンセラーが理解するためです。
  2. 現在の問題: カウンセリングを受ける動機、つまりは夫婦がどのような問題に直面しているのかをカウンセラーが具体的に知る必要があります。これはコミュニケーションの問題、信頼の問題、性の問題、金銭の問題など、具体的な事例と共に話すことが求められます。
  3. 感情と反応: お互いにどのような感情を抱いているのか、またそれがどのような行動や反応につながっているのかを訊かれることがあります。
  4. 期待と目標: 夫婦が何を期待しているのか、具体的な改善目標は何なのかについて説明を求められることがあります。
  5. コミュニケーションスタイル: 夫婦間のコミュニケーションパターン、コミュニケーションに関する困難や課題になっていることについて話すことがあります。
  6. 個々の背景: それぞれの家族背景や過去の経験、価値観、信念について話すことがあります。これは、個々の行動や反応がどのように形成されたのかを理解するためです。
  7. 外的ストレス要因: 仕事、子育て、健康問題など、関係に影響を与えている可能性のある外的なストレス要因について話すことがあります。

夫婦カウンセリングは非常に個人的で深いプロセスであるため、この他にも色々な質問が考えられますし、質問の種類や進行の仕方も個々に異なりますが、上記のような質問は一般的に夫婦のことを知るために必要であることが多いでしょう。

夫婦カウンセリングに臨む場合は、ご自身がこれらについて説明できるかどうか、一度自分の中で確認をしてみると良いと思います。

夫婦カウンセリングに臨む際の注意点

夫婦カウンセリングに行く際の注意点はいくつかあります。

以下に、いくつかの主要なポイントを挙げていきます。

  1. カウンセラーの資格と経験: カウンセラーの資格と経験を事前に確認してください。特に「カウンセラー」は法律で保護されていない職業名なので、そのカウンセラーが適切なトレーニングと経験を持っているかを確認することが重要です。
  2. 即座の解決を期待しない: 夫婦カウンセリングが全ての問題を即座に解決するわけではありません。また、カウンセラーは解決策を直接提供するのではなく、問題解決のための新たな視点やツールを提供する役割を果たします。時間と努力を必要とするプロセスであることを理解しておきましょう。
  3. カウンセラーとのコミュニケーション: カウンセラーとのコミュニケーションがスムーズに行えることが重要です。自分の感情や問題、夫婦間の関係性等を適切に伝えられるかどうか、練習してみましょう。
  4. パートナーとのコミュニケーション: カウンセラーとのセッションだけでなく、パートナーとの間で継続的なコミュニケーションを保つことが重要です。カウンセリングは、それ自体が解決策ではなく、関係改善のための道具として利用するものです。自分たちでも関係改善のための努力をしなければなりません。
  5. 費用: カウンセリングは自己投資ですが、それでも費用は無視できません。各セッションの費用や、保険の適用があるかどうかを事前に確認しましょう。
  6. 対応範囲: カウンセラーにはそれぞれ専門分野があります。自分たちが抱える問題について、そのカウンセラーが適切に対応できるかどうかを事前に確認してください。
  7. プライバシー: カウンセラーは専門家として、あなたが共有する情報を保護する責任があります。セラピーの目的やプロセス、保証されるプライバシーの範囲について、カウンセラーが患者のプライバシーをどのように保護するかについて、事前に確認しておくことが重要です。

夫婦カウンセリングを利用する際は、これらのポイントを念頭に置いて、自分たちに最適なカウンセラーを選ぶことが重要です。

夫婦カウンセリングでは解決できないケース

夫婦間に問題があるからと言って、何でも夫婦カウンセリングに行けば解決してもらえるわけではありません。

自分たちの問題解決にはカウンセリングを利用するのが有効なのか、確認してみましょう。

夫婦カウンセリングでは解決できない問題

夫婦カウンセリングは多くの問題に対する助けとなることが可能ですが、次のような状況があると、限界があるかもしれません。

  1. 物理的または精神的な虐待: 夫婦間で身体的または精神的な虐待が行われている場合、カウンセリングが問題を解決する手段とは言えません。このような状況では、まず安全な環境を確保することが重要です。必要な場合は警察や専門の支援組織に連絡しましょう。
  2. 重度の精神疾患: 重度の精神疾患(たとえば統合失調症、重度のうつ病、強迫性障害など)が存在する場合、その疾患の治療が優先されるべきです。これらの状況では、精神医療専門家による評価と治療が必要となることが多く、それが先行した後で夫婦カウンセリングが行われることが多いです。カウンセリングが必要な状況でも、まずは適切な医療を受けることが重要です。
  3. 依存症: アルコールや薬物の重度の依存症がある場合、これらの問題が治療されるまで夫婦カウンセリングが効果的に機能することは少ないです。依存症が存在する場合は医療的介入が必要となる場合が多く、専門的な治療とリハビリテーションが必要となります。依存症の治療が進められた上で、夫婦間の問題に対処するためのカウンセリングが始まることになります。
  4. 非協力的な態度: カウンセリングは双方のパートナーが積極的に関与し、問題を解決するための行動を起こす意志があることが前提です。一方または両方のパートナーが変化を望まない、カウンセリングのプロセスに参加したがらない、または開かれたコミュニケーションに抵抗がある等の理由で努力を惜しむ場合、カウンセリングが効果的である可能性は低くなります。
  5. 恋愛感情の完全な喪失: 一方または双方のパートナーが恋愛感情を完全に失い、再燃させる意志がまったくない場合、カウンセリングが関係を修復することは難しいかもしれません。

これらの状況に直面している場合でも、カウンセリングが無意味であるとは限りませんが、より専門的な援助や異なる種類のサポートが優先されるべきであると考えられます。

特に暴力や精神疾患、依存症などの深刻な問題については、医療等の専門家の介入を求めることが大切です。

以上を踏まえて、どんな問題を抱えている夫婦は夫婦カウンセリングに行くべきなのか、最後にまとめてみましょう。

夫婦カウンセリングに行くべき夫婦

以下のような問題点が存在し、自分たちでも努力をしたけれど上手く問題を解決できないと感じたら、夫婦カウンセリングを利用するのは良い方法だと言えます。

これが全てではありませんが、一般的に夫婦カウンセリングで解決されることが多い問題点を挙げていきます。

1. コミュニケーションの問題: これは非常に一般的な問題で、夫婦間での意思疎通がうまくいかなくなると、怒りやイライラを引き起こし、夫婦間の溝を深める可能性があります。カウンセリングでは、傾聴スキル、非暴力的なコミュニケーション、明確なメッセージの伝達等、相手の感情や見解を理解するために効果的なコミュニケーション技術を提供します。それによって、夫婦はスムーズなコミュニケーションを取り、誤解を解消するための手法を学ぶことができます。

2. 信頼の喪失: 不倫、嘘、裏切りなどにより信頼が損なわれた場合、それを回復することは困難です。しかし、カウンセリングでは、信頼の再建に向けたステップを学ぶことができます。これには、許しのプロセス、誠実さの維持、透明性の確保などが含まれます。

3. 性的な問題: 性的な問題は、性的な不一致や性的な欲求の差、欲求不満、満足度の低下、パートナーへの興奮の喪失など、多岐にわたる可能性があります。カウンセリングでは、それらの問題についてオープンで安全な会話を促進し、解決策を探す手助けをします。性的な問題に対処し、相手を理解し、信頼と親密さを再建する方法を学ぶことができます。

4. 育児に関する問題: 育児方法や規則、教育方針についての意見が一致しない場合、それがストレス源となることがあります。カウンセリングでは、共通の育児の目標を設定し、相違点を尊重し、すれ違いや衝突を解決するための戦略を学ぶことができます。

5. 財政的な問題: お金に関する意見の相違や財政的な困難は、夫婦間の大きな問題となることがあります。カウンセリングでは、財政的な目標を設定し、お金に関する問題を話し合い、財政的なストレスを管理する方法を学ぶことができます。

6. 生活の変化と調整: 新たな仕事、引っ越し、子供の誕生、親の老化や死など、生活の大きな変化はストレスをもたらし、夫婦間の調和を乱す可能性があります。カウンセリングは、これらの変化に対応し、適応する方法を見つけるのに役立ちます。

7. 感情の問題: 抑うつ、不安、ストレスなどの感情的な問題は、個人だけでなく夫婦関係にも影響を及ぼします。カウンセリングは、自分自身と相手の感情を理解し、管理する方法を提供します。

上記以外の問題点がある場合でも、カウンセリングが有効な可能性はあります。

まずはカウンセラーに問い合わせて、自分たちの問題が解決可能な範囲内であるかどうか確認をしてみると良いでしょう。

そして、夫婦間の問題を改善、解決するには、カウンセラーの専門的なガイダンスに加え、他でもない夫婦二人自身の協力が不可欠です。

オープンな対話、誠実な自己省察、変化への意志が必要だと心得て、夫婦カウンセリングに臨んでください。

タイトルとURLをコピーしました