子育てに役立つ心理学 アドラー心理学について知ろう【後編】

子育て

アドラー心理学とは、人間の心理を研究し、人間関係における問題解決法を提唱した心理学の一つです。  

その中でも、アドラー心理学が重視するのは、人間の主体性や社会性です。  

人は自分自身を生きていく上で、自分が存在している社会環境に適応する必要があります。  

このため、アドラー心理学では、人間の生き方と社会的なつながりを、人の行動に反映することが重要とされています。  

この考え方を子育てに応用すると、子どもたちが社会で生きていくために必要なスキルを身につけることができます。  

今回は子育ての視点から見るアドラー心理学についての後編です。  

大事なのは「勇気づけ」 アドラー心理学で見る親の役割

アドラー心理学では、親が子供を「勇気づける」ことが大切だとされています。  

勇気づけとは、子供が自信を持って自分自身を受け入れ、自己肯定感を高めることを支援することです。  

そのために、親は子供を批判したり、比較したりするのではなく、子供の成長と自立を促すことが役割と考えましょう。

具体的にはどうしていくべきか、ポイントを見ていきましょう。  

褒め方

子育てでは、親子関係が非常に重要なのは言うまでもありませんが、アドラー心理学では特に、子供を親と対等な存在とした上で、子供を励ますことが重要とされます。  

子供が何か成し遂げた時には、しっかり褒めるようにしましょう。  

ただし、褒め方には注意が必要です。  

子供が頑張ったことをただ褒めるのではなく、なぜ頑張れたのか、どのように頑張ったのか、どうやって解決したのかを褒めることが大切です。

対等な関係

子供が何で成功したかを振り返りもせず、ただ「よく頑張ったね、えらいえらい」と言うだけ、というような褒め方は親が上から目線で声掛けをしていることで、親子の間に「対等」ではない「上下関係」ができてしまいます。

この、親が上で子が下、という関係性はアドラー心理学では望ましくないとされます。 

褒めるときにもちゃんと子供が何をしたか、何が良かったのかに言及し、一人の人間として尊重しましょう。 

逆に子供が失敗した時には、失敗を否定するのではなく、どうやって次に取り組めばよいかを一緒に考えてあげることが大切です。

先ほども書いた「上下関係ができるのを避ける」という観点から、失敗したときにも「でも頑張ったもんね、すごいね」と褒めるのは良くないこととされます。

努力を認めるという点は良いのですが、何も達成していないのに「すごい」と褒めるのはやめましょうということです。

成功しても失敗しても褒められたのでは、子供も混乱してしまうかもしれませんし、年齢によっては侮られたと感じる可能性もあります。

何より、「達成感」と「嬉しい気持ち」の結びつきがあいまいになってしまいかねません。

子供が何かを達成できなかったときは、過程の努力は認めつつ、むやみに褒めることはせず、「次はどうしたらいいと思う?」と未来に目を向けてサポートしていくようにしましょう。

子供が「自分で」問題を解決することができるように、親はサポートすることが役割なのです。  

その中で親が子供を勇気づけることで、子供は自己肯定感が高まり、自分自身を肯定することができます。  

アドラー心理学のアプローチ法を取り入れることで、子供の成長と自立を促し、良好な親子関係を築くきっかけになるかもしれません。  

「自分からやる子」を育てる方法 アドラー心理学のアプローチ

アドラー心理学は、人間が生きていく上での基本的な考え方を提唱した心理学の一派です。  

その考え方を子育てに応用することで、子供たちの自己肯定感を高め、やる気や自主性を引き出すことができます。 

ここでは日頃からできる大事な要素2点をご紹介します。 

ポジティブな声がけ

たとえ根拠がなかったとしても、子供に対して「あなたは頭がいい子だ」「諦めなければできる子だ」のような言葉を言い続けることは、子供の自己肯定感を高める上で大事なことです。

無条件で認められていると感じられるのは子供にとって安心できるだけでなく、生きていく上で重要な「根拠のない自信」にも繋がります。

これがあると後々、周りの言うことに左右されず、自分の意志で何かに挑戦することができるようになります。  

親は、子供たちに対して常にポジティブなエネルギーを送り、子供たちが自分で考え、自分で行動するようにサポートすることが大切なのです。  

共感

共感的なコミュニケーションも大切です。  

子供の話をしっかり聞き、理解することで、子供たちはより自信を持って自分の思いを表現することができます。

子供の興味に親は関心を持つ、それをずっと実践していくと、子供は色々なことに興味を向け、やがて親が何も言わなくても勉強や課題等、「自分からやる」ようになります。

世界トップクラスの大学に合格した学生さんたちは口をそろえて「親に勉強しなさいと言われたことがない」と言うそうです。

日本の東大の学生さんたちに関しても同じ話をよく聞きますよね。

これは、彼らの親が単に放任だったということではなく、子供が自分から興味を持って物事を探求していけるようにサポートしていたということです。

小さいうちから、子供の言うことと適当に聞き流すのではなく、しっかり耳を傾けて子供の話を聞き、関心を持ちましょう。

これは子供を対等に扱うということにも繋がります。    

 

以上、アドラー心理学を子育てに応用する上で大切な2点についてご紹介しました。  

子供たちの自尊心と自己肯定感を高め、やる気や自主性を引き出すために、ポジティブな言葉かけや共感的なコミュニケーションを取り入れてみてください。

そのために一番大切なことは、我が子への愛情です。

愛情を持って、大事な我が子を勇気づけるコミュニケーションを取っていきましょう。  

子のためにもなる!夫婦間のパートナーシップを強化するコミュニケーション技術 アドラー心理学の視点

アドラー心理学では、人間は社会的存在であり、人間関係の中で生きていくことが重要だとされています。  

そのため、パートナーシップの強化が大切だとされています。  

では、どのようにパートナーシップを強化することができるのでしょうか?

まず、アドラー心理学では、相手の立場や気持ちを理解することが大切だとされています。  

コミュニケーションにおいても、相手の話に耳を傾け、共感を示すことが重要です。  

また、相手の強みを認め、尊重することも大切です。  

さらに、アドラー心理学では、問題解決のための技術も提唱されています。  

問題が起きた際には、相手とともに解決策を考え、協力して問題を解決することが重要です。  

このような協調性やコミュニケーション能力は、教育理論でも重要視されています。  

アドラー心理学の視点から見た、パートナーシップを強化するコミュニケーション技術とは、相手を理解し、尊重し、問題解決に協力することが大切だということです。  

これらの技術を身につけることで、親子関係だけでなく、家族としての夫婦のパートナーシップをより強固なものにすることができるでしょう。  

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