生活するということは、当然お金がかかるということです。
それは夫婦が共同生活を送る際にも同じこと。
めちゃくちゃお金を持っている夫婦の場合は分かりませんが、多くの場合、一人暮らしのときと結婚してからではお金の使い方や管理の仕方も変わります。
それなのに家計の管理がきちんとできていないと、夫婦間での金銭トラブルに発展しかねません。
今回は、そんな夫婦間の金銭トラブルを予防するために大事なことをまとめました。
何はともあれコミュニケーション!
夫婦間の誤解や不満はトラブルのもとになりますが、多くの場合、それらはコミュニケーションの不足から生じます。
金銭問題についても例外ではありません。
つまりお金の使い方=家計管理について十分に話し合うことで、金銭に関する多くの問題を予防することができます。
ここでは、具体的に何に気を付けて話し合いをすれば良いかを見ていきましょう。
家計管理について話し合うときに重要なこと
家計管理全般において最も重要なことは、「明確なコミュニケーション」、「共通の目標設定」、「予算作成とその管理」の3つです。
それぞれについて確認していきます。
- 明確なコミュニケーション:
互いの金銭感覚や価値観について率直に話し合い、理解し合うことがとても重要です。
それぞれの人生経験や家庭環境などによって、お金に対する価値観は大きく異なります。
何にお金を使って何に関しては節約したいのか、それぞれの意見を出してみましょう。
このとき、あまりにも極端なお金の使い方や浪費癖などがない限り、お互いの価値観を尊重し、自分の主張を押し付けないことが大切です。
相手の意見に対して、理解を示し、受け入れられる部分は受け入れ、そうでない部分は正直に伝え、お互いに妥協点を探りましょう。 - 共通の目標設定:
夫婦で共有する金銭目標(たとえば、家を買う、子供の教育費を貯める、旅行に行くなど)を設定します。
その目標を達成するために何が必要かを明確にし、共同でその目標に向けて努力することで、お互いがお金を管理する意識と協力感を養うことができます。 - 予算作成とその管理:
家計の収支バランスを保つためには、収入と支出を把握して予算を作成し、それを守ることが必要です。
さらに、定期的に予算を見直し、必要に応じて調整することで、生活状況の変化や新たな目標に対応することができます。
これらの要素を踏まえて家計管理を行うことで、健全な金融状況を維持し、金銭に関するストレスを軽減することができます。
夫婦で最初に話し合うべき具体的なポイント
結婚したら、早い段階で「家計の管理をどうするか一緒に考えよう」と声をかけ、話し合いの時間を持ちましょう。
後々新たな話し合いが必要になることもあるでしょうが、基本的なお金の使い方や管理方法等を最初に決めておくと、お金に関して共通の認識がある状態になるので安心です。
もしこれをやっていなくて家計の収支がよく分からないような場合は、今からでも話し合いましょう!
夫婦が家計の管理について話し合う際に決めておくべき項目は以下の通りです。
- 収入と支出の確認:
各自の収入と支出を正確に把握し、それぞれがどれくらいの金額を家計に貢献できるかを明らかにしましょう。 - 予算作成:
食費、交通費、光熱費、家賃、保険料、通信費、交遊費、節約・貯金目標など、各種の費用項目ごとに月ごとの予算を設定します。 - 貯金計画:
緊急時のための貯金や退職金、子供の教育費、家の購入資金など、目標とする貯金額とそれに到達するための計画を立てます。 - 負債の管理:
既存の学生ローン、クレジットカードの借金、住宅ローンなど、夫婦が持つ全ての負債を把握し、これらを返済する計画を立てます。 - 個々の個人的な出費:
一定の個人的な出費(趣味、贈り物、パーソナルケアなど)を予算内に含めることで、自由に使えるお金を設定します。 - 投資の計画:
長期的な財務の安定のために投資を考えている場合、どの種類の投資を行い、どれくらいの金額を投資するかを決めます。 - 家計簿の管理:
家計の状況を常に把握するために、どのように家計簿をつけるか、どの頻度で見直すかを決定します。 - 保険の確認:
生命保険、健康保険、自動車保険など、適切な保険があるかを確認し、必要な場合は加入し、逆に不要と思われるものがあった場合は解約します。 - 大きな出費のルール:
大きな出費を考える場合、いくら以上の金額なら相手に相談するか、金額を設定します。
これらを事前に話し合っておくことで、経済的な問題による摩擦を避け、安定した生活を送ることができると考えられます。
夫婦での効果的な家計管理術
ここからは実際に家計を管理していく上で意識するべきポイントを見ていきましょう。
言わずもがなですが、家計の管理というのは生活が続く限り続いていくものです。
その中で、ただ数字の記録をつけているだけでは生活を豊かにするための効果的な家計管理とは言えません。
以下、夫婦の家計管理において意識すべきポイントを解説します。
夫婦の豊かな生活のために効果的な家計管理のポイント
家計管理を効果的なものにするためには計画性と組織性がカギとなります。
以下にいくつかのステップを紹介します。
- 収入と支出の把握:
収入の全額と、「固定費(家賃、ローン、保険料等)」、「変動費(食費、交通費、交遊費等)」、そして「非定期の支出(医療費、旅行費等)」を把握することから始めましょう。 - 予算の設定:
収入と支出を把握した上で、カテゴリーごとの月間予算を設定します。
このときの目標は収支のバランスを取り、可能なら貯金することです。 - 家計簿の利用:
収入と支出を記録し、管理するためのツールとして家計簿を利用します。
これは紙の家計簿でも、専用のアプリでも構いません。
重要なのは、全ての収入と支出を記録し、予算と照らし合わせることです。 - レビューと調整:
予算は固定されたものではなく、生活環境や収入の変化、目標の変化に合わせて調整するべきものです。
定期的に家計簿をレビューし、必要に応じて予算を調整しましょう。 - 節約:
不必要な出費を減らすために、どこで節約できるかを見つけ出すことも重要です。
一部のサブスクリプションサービスを止めたり、外食を減らしたり、電気やガスなどの使用量を抑えるなど、小さな節約を意識することが、年間で見ると大きな節約に繋がります。 - 貯金と投資:
収入が支出を上回ると、その差額を貯金または投資に回すことができます。
将来の大きな支出に備えるためには、貯金と投資が必要です。
短期的な貯金目標と長期的な投資戦略を立ててみましょう。 - 緊急資金の確保:
不測の事態や入院費等の予期しない出費に対応するため、3~6ヶ月分の生活費を緊急資金として確保しておけると安心です。 - 目標設定:
明確な財務目標を設定することは、家計管理を継続するモチベーションになります。
これは新しい家の購入、子供の教育費、旅行、特別なディナーなど、何でも構いません。
これらのステップを踏むことで、家計を効果的に管理し、金銭的なストレスを軽減することができるでしょう。
節約は合意の上で
節約という点について補足すると、これはお互いに合意した上で行うことが大切です。
節約には様々な方法がありますが、一方が節約に熱心であっても、相手が嫌がる方法を強いるべきではありません。
例えば外食は一切しない!とか、暑くてもエアコンの温度設定は下げない!のような極端なことを実践しようとすると、夫婦の片方がストレスを感じることになります。
夫婦の金銭トラブルを避け、精神的にも豊かな生活を送るための家計管理、そのための節約です。
それなのに、どちらかに不満が溜まってしまったのでは夫婦仲が良いとは言えません。
それでは意味がないですね。
きちんと話し合い、夫婦それぞれが納得し、協力して取り組める節約方法を実践していきましょう。
家庭形態の違いによって変わる家計管理のポイント
夫婦が共働きかそうでないかで、家計の状況や管理方法は大きく変わるものです。
ここでは、それぞれの家庭形態における家計管理の重要ポイントと注意点を確認しておきましょう。
先に言っておくと、どちらの家庭形態でも、オープンで誠実なコミュニケーション、共通の目標の設定、適切な予算管理が家計管理の成功には不可欠です。
共働き夫婦の場合
重要ポイント
- 収入の比率による家計の分担:
両方が収入を得ているため、それぞれがどの程度の収入を家計に貢献するのかを明確にします。
収入の比率によって、生活費全体を等分するのか、家賃と保険料は夫、通信費は妻、のように分担するのか等、明確に、かつ公平に担当部分を決めることが大切です。 - それぞれが自由に使う予算の設定:
収入の全てを家計に充てるのではなく、自由に使える「お小遣い」をそれぞれの予算に組み込むのは重要なことです。
これにより、双方が個々の趣味や必要なものにお金を使うことができ、家計のために我慢しなければならないというストレスを防ぐことができます。
注意点
生活スタイルの違い:
お互いに働いていると、生活スタイルや価値観が異なることがあります。
これにより、何にどれだけのお金を使うべきかについての意見が分かれることがあります。
このような場合は、お互いに話し合い、家計のために落としどころを見つけることが重要です。
家計を圧迫するようなお金の使い方はもちろん見直すべきですが、そこまでいかなくとも家計の分担に不公平感が出るようなら、しっかりと折り合いをつけて納得できる妥協点を見つけましょう。
どちらか一方が働いている夫婦の場合
重要ポイント
- 収入源の保護:
収入源が一人に限られているため、その人の収入が途絶えるリスクを考慮しておく必要があります。
具体的には生命保険や医療保険の加入、緊急費用の確保等が重要となります。 - 主夫/主婦であるパートナーへの配慮:
どこかに勤務するという形で働いていない方も家庭を支え、夫婦または家族の生活のために重要な役割を果たしていることを認識し、その働きを尊重します。
ある程度自由に使える予算(お小遣い)の設定をする等、配慮をすることが大切です。
注意点
家計に入れるお金は「二人のお金」:
働きに出ている方と出ていない方とで、お金に対する感覚や価値観が異なることがあります。
やはり実際に「お金を稼ぐ」という部分を担当している方が、「自分のお金」という感覚を持ってしまう可能性があります。
だからと言って夫婦の片方が全ての金銭的決定を下すと、パートナーは疎外感を感じることがありますし、場合によっては自分の方が立場が下だという間違った意識を持ってしまうかもしれません。
共同生活の家計のために働く以上、それは「二人のお金」です。
管理については互いの意見を尊重し、全ての重要な財務上の決定は共同で行うことが重要です。
いかがでしょうか。
お金はもちろん大事なものですから、夫婦の共同生活においてはその使い道や貯蓄目標等、しっかりと話し合うことが重要です。
それぞれの家庭に合わせた管理方法と目標を持って、協力して家計の管理をしていきましょう。