妊娠中の女性が抱える心の変化とは?
妊娠中は、女性の身体だけでなく、心も大きな変化を経験します。
その背景には、妊娠中特有の悩み、ホルモンバランスの変化、産後うつ、そもそもの夫婦関係などが存在しています。
妊娠中特有の悩み
まず、妊娠中特有の悩みについてですが、体調の変化や仕事と家庭の両立、子育てへの不安など、様々な問題に直面することがあります。
どんなに妊娠を望んでいたとしても、いざ実際に妊婦生活が始まると色々なことが不安になってくることはよくあります。
しかも妊娠するとホルモンバランスが大きく変動するので、平常時よりも神経質になったり、気持ちが弱くなってしまったりするため、普段よりも悩みやすい状態と言えます。
これらの悩みは、心の安定を揺るがせることも少なくありません。
それを予防するために、子供ができた際の妻の仕事についてや家事の分担、子育てに対する考え方など、普段から話し合っておきましょう。
ホルモンバランスの変化
上述のように、ホルモンバランスの変化も心の変化に大きく関係しています。
妊娠中は、プロゲステロンやエストロゲンといったホルモンの分泌が変動し、気分の浮き沈みが激しくなることがあります。
このため、イライラや不安感が募ることも珍しくありません。
妊娠中の妻が些細なことで怒ったり、逆に泣いてしまったりしているときは、優しく寄り添うことが大切です。
ホルモンのせいですから、本人にもどうしようもないのです。
それを理解し、包容力を持つよう夫は心がけましょう。
産後うつ
また、産後うつは、出産後に現れる心の問題ですが、妊娠中からその兆候があらわれることがあります。
特に妊娠中のストレスや不安が高まると、産後にうつ症状が現れるリスクが高まると言われています。
早めのケアやサポートが必要となる場合もありますので、周囲の理解と協力が大切です。
例えば涙が止まらなくなるとか、理由もなく不安になるなどの症状に気づいた場合はすぐに医師に相談しましょう
パートナーである夫はもちろん、可能であれば双方の実家にも協力をお願いしておけると安心ですね。
夫婦関係
最後に、そもそもの夫婦関係も妊娠中の心の変化に影響を与える要因です。
パートナーとのコミュニケーションがうまくいっていなかったり、夫婦間の役割分担について意見が合わなかったりすると、心に余裕がなくなります。
このような状況下では、パートナーへの不満やイライラがたまり、夫婦仲にも妊娠中の精神状態にも悪影響が出てしまいます。
最悪の場合胎児にも影響を及ぼす可能性すらあります。
ただでさえ不安やイライラを感じやすくなる妊娠期間、夫婦の関係がぎくしゃくしていたのでは、良いことは1つもありません。
その後の二人自身や生まれてくる子供のために、きちんと冷静にお互いの気持ちを話し合い、家での役割分担についてもきちんと折り合いをつけておきましょう。
妊娠中の女性が抱える心の変化は、上記のような要因が複雑に絡み合っています。
周囲のサポートや理解が重要であり、妊娠中の女性自身も、自分の心の変化を自覚し、適切なケアができるように心がけることが大切です。
パートナーとのコミュニケーションの秘訣
妊娠中は女性の心身にさまざまな変化が起こるため、その変化を夫婦二人ともが適切に理解し、パートナーと上手にコミュニケーションを取ることが大切です。
信頼関係
まず、信頼関係の構築が重要です。
妊娠に伴う心身の変化は、女性本人にとっても想定外のことが多く、不安やストレスを感じることもあります。
こうした状況で、パートナーが理解を示し、安心感を提供することで、信頼関係を築くことができます。
間違っても妻の体系の変化を茶化したり、すぐ泣くようになったからと言ってからかったり鬱陶しがったりするのはやめましょう。
男性が思っている以上に、妊娠中の無神経な振る舞いは女性の心に傷や禍根を残すものです。
寄り添う姿勢
次に、夫は妊娠中の女性が抱える心の変化に寄り添い、感情や悩みをしっかりと受け止めることが求められます。
無理に解決策を提案しなくても、ただ聞くことが大切な場合も多々あります。
むしろ多くの場合、特に夫からのアドバイスは必要としていないとも言えます。
身体のことや生まれてくる赤ちゃんのことはお医者さんがしっかり説明してくれますから、「どうしたらいいかな」と尋ねられたとき以外は変にアドバイスをしたり自分の見解を言おうとしなくて大丈夫、というかしない方が良いでしょう。
妻が話しているときはうなずいたり、目を見て話を聞き、「そうだね、つらいよね、でも大丈夫だよ」と気持ちで寄り添うことで、安心感や信頼感にも繋がります。
自分の気持ちを受け止めて安心させてくれる、それこそが多くの女性が望んでいる対応なのです。
非言語コミュニケーション
妊娠中の女性は、言葉でうまく気持ちを伝えられないこともあります。
繰り返しますがホルモンバランスが原因で、自分自身の気持ちがよく分からないということもあります。
そんなときに、パートナーが優しい表情や触れ合いで、その気持ちを理解しようとする姿勢を見せれば、安心感を与えます。
特に何かを言う必要はありません。
やはりここでも優しく寄り添おうとすることが重要なのです。
フィードバックの共有
最後に、フィードバックの共有も大切です。
夫は妊娠中の妻の気持ちをできる限り理解した上で、自分たちが妊娠期間や子育てにどのように向き合っていくべきか、パートナー同士で話し合い、共有することが重要です。
妻が上手く話せないようなときは無理に話し合う必要はありませんが、つわりの症状がなく、気持ちも落ち着いていて体調の良いときに、ゆっくりと話し合う時間を取りましょう。
自分たち自身について、そしてもうすぐ会える二人の子供の未来について話す幸せな時間と捉えて、お互いの気持ちを伝え合ってください。
夫婦の信頼関係を築くためのアプローチ
妊娠中の女性は、ホルモンバランスの変化や体調の変化などにより、感情が不安定になることがあります。
そんな時こそ、夫婦間の信頼関係を築くことが大切です。
以下に、信頼関係を築くためのアプローチについてご紹介します。
1. コミュニケーションを大切にする
妊娠中の女性の気持ちや体調の変化を理解し合うためには、まずはコミュニケーションが大切です。
お互いの不安や悩み、喜びなどを率直に話し合うことで、理解し合い、共感し合うことができます。
2. 妥協を忘れずに
妊娠中は、女性が体調不良になることが少なくありません。
そんな時には、互いに妥協し合い、臨機応変に協力し合うことが大切です。
例えば一緒に出かける予定だったけれどお腹が張ってしまったら、おうちでのんびりすることに変更したり、料理をする予定だったけれど気持ちが悪くなってしまったら、お惣菜を買ってくることにしたり、ということです。
また、妻ができないことを何もかも夫が代行する必要はありません。
掃除や家事はいっそプロのサービスを頼ったり、食事もデリバリーで取り寄せたり、二人ともが休める日を作るようにしましょう。
無理をせず、お互いの状況を理解し、サポートし合っていくことが信頼関係を築く上で重要となります。
3. 感謝の表現を忘れずに
夫が妻をサポートすることが多くなる妊娠期間中ですが、お互いに感謝の気持ちを忘れずに伝えることが大切です。
感謝の言葉や態度で示すことで、お互いの絆が深まり、信頼関係が強くなります。
妻は夫に「家事をやってくれてありがとう」「車で送ってくれてありがとう」「荷物を持ってくれてありがとう」と、きちんと感謝を伝えましょう。
そして夫は、妻のおなかの中に居るのは自分の子だということを改めて考えましょう。
妻は一人で、二人の子を、10カ月という長い期間、ときには心身の変化に苦しみながら、文字通り身体を張って育てているのです。
そして出産の際は本気で死ぬかもしれないと思うほどの苦痛を耐えるのです。
「頑張ってくれてありがとう」の気持ちを忘れずにいてください。
4. 思いやりを持って接する
妊娠中は、女性が体調や精神面で不安定になることがあります。
そんな時こそ、夫は妻に対して思いやりを持って接することが重要です。
お互いに配慮し合い、思いやりのある言葉や行動でサポートしましょう。
以上のようなアプローチを取り入れることで、妊娠中の妻と夫の信頼関係が築けるでしょう。
お互いに助け合い、サポートし合うことが、夫婦間の信頼関係を強固にし、家族としての絆を深めることにつながります。